業界売上げトップ営業マンから教わった21の承諾心理学

私たちが生きているこの人間社会では、ビジネスシーンでもプライベートでも、必ずなにかしらの「交渉」というものが存在します。

「一緒にご飯を食べに行こう」
「この企画はいかがでしょうか」
「こんなアイデアがあるのですが…」

それがどんなシーンであれ、人対人でなにかをやりとりする際には、必ず交渉や話し合いが必要です。

そのときに、自分の要求を相手に受け入れてもらう、つまり「イェス」を引き出すことができれば、これまで以上に目標を達成するスピードが早くなります

また、自分で独立してビジネスをしている起業家にとっても、見込み客に「イェス」と言ってもらえなければ、自社商品を購入してもらうことはできません。

高い成約率で商品を販売することができる人は、セールスや交渉で失敗ばかりする人が知らない心理的なテクニックを多く使っています。

ですから、今後あなたがそれらの技術を習得しておくと、「対ひと」でのあらゆるシーンで、自分の要求や提案に「イェス」の答えを引き出すことが容易になります。

これは私が起業し、自分で商品をセールスするために学んだコピーライティングのスキルのごく一部ですが、その中でも特に、相手の「イェス」を引き出すうえで効果の高い21個のテクニックをご紹介します。

なので、あなたがこれから自分で商品を販売するとき、誰かを説得したいときに活用してもらえたなら、セールスなら多くの購入者を、交渉なら高い確率で「イェス」を引き出すことが可能になるでしょう。

. ダブルバインドテクニック

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これは、アメリカ臨床催眠学会の創始者ミルトン・エリクソンが好んで使ったテクニックと言われています。

ダブルバインドテクニックとは、日本語だと二重拘束と訳されます。簡単に説明します。

例えば、あなたがとある異性と「一緒にご飯に行きたい」という目的(イェス)を持っているとします。そのとき、その異性に対して、「一緒にご飯に行かない?」と質問をすれば、答えはイェスかノーのどちらかしかありません(「考えとく」という答えもありますが、この場合はノーとして捉えます)。

しかしこのときに、「一緒にご飯を食べに行くとしたらイタリアンと鉄板焼き、どっちがいい?」と質問すると、答えは“イタリアン”か“鉄板焼き”のどちらかになります。そうして答えたほうで、「じゃあそっち行こう」と話を進めやすくなります(もちろん100%とは言いません)。

これは何をしているのかというと、本来の目的である「一緒にご飯を食べに行く」ということを“前提条件”として質問をすることで、相手はどっちに答えてもイェスという答えになるのです。

ですから、夫婦関係でも「なんか家事をやってよ!」とお願いするよりも、「お皿洗いとお風呂掃除ならどっちがいい?」と質問をすることで、家事をやることを前提に話を進めることができます。そして、相手の頭の中でも「家事をする」という前提を受け入れてしまうのです。

. 小さなイェスを繰り返す

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人は一貫性という心理的リアクションを持っています。つまり、1度自分で決めたことは、出来るだけそれを貫きたいと思うのです(実際に貫ける意思があるかどうかは、また別の話です)。なぜなら、それを貫かないと自分を否定することと同義だからです。

なので、「あなたは人に優しい人ですね」と言って相手が「そうだよ、俺は優しいよ」と自分で発言すると、それからその人は努めて人に優しくするような行動を取ろうとするのです。

そして例えば、「この残業を手伝って欲しい」という目的があるとします。その際、いきなり「ねぇねぇ、この残業を手伝ってくれないかな?」とお願いをしても、ノーと断られる可能性は高いです。

なので、この場合は以下のようにすると、イェスと言ってもらえる可能性が高くなります。

まず、「山田さん!今ちょっと時間ありますか?」と聞き、「うん、あるよ」と1度相手から小さなイェスを引き出します。

引き続き、「山田さん、ちょっとだけ相談に乗って欲しいんですけど…」と続けます。そこでほとんどの人は、「おう、どうしたんだ?」と聞く耳を持ってくれます。これが2度目の小さなイェスです。

そうして相手から小さなイェスを何度も引き出してから、「今日この残業を終わらせないと帰れなくて…少しだけでいいので手伝ってもらえませんか?」とお願いをします。

こうやって小さなイェスを引き出していくことで、いきなり「残業を手伝ってください」とお願いするよりも遥かに高い確率で「うん、分かった」とイェスを引き出すことが可能になるのです。

オンラインマーケティングをしている人であれば、商品を販売するセールスページで、この「うん、確かに」をなんども繰り返してもらうことで、商品の成約率が向上します。

. 相手のメリットにフォーカスする

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商品をセールスするとき、あるいは交渉時には、とにかく「相手のメリット」にフォーカスすることが不可欠です。

これをダイエットで考えてみます。

例えば、ダイエットを成功して痩せたい女性にサプリメントをセールスするとします。そのときに、(大げさですが)「このサプリをあなたが買ってくれることで、私のお給料が上がるんです!」と言ったらどうでしょう。

おそらく、ほとんどの人は「そんなこと知らない」「私にこのサプリは必要ない」と断られてしまうでしょう。

ですが今度は、(簡単にですが)「このサプリは胃から吸収されることで、血液中の汚れを溶かし、血液をサラサラにしてくれる成分があります。そして血液がサラサラになると、内臓のあらゆる代謝が良くなるので、少しの運動でも大きな脂肪燃焼効果があります。つまり、今まで通り変わらず生活をしているだけで、勝手に脂肪が燃やされていきます」と言ったらどうでしょう。

これなら、相手の願望である「ダイエットに成功して痩せたい」という女性にとってのメリットと合致しているので、先ほどの言い分よりも確実に購入してくれる確率が上がる、つまりイェスを引き出すことが可能になります。

人は自分に関することにしか興味がありません。誰が得をするとかはどうでもよく、あくまで「自分の得」ばかりを考えてしまう生き物なのです。

ですから、セールスや交渉の際には、必ず「相手にとってメリット」であり、そして「相手の願望と一致している」ようにメッセージを伝えると、イェスを引き出すことができます。

. 逃げたい欲求を利用する

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人間には、2つの欲求があります。それは先ほどの「得たい欲求」と、「避けたい欲求」つまり“痛みから逃げたい”という欲求です。

簡単に言えば、整形をして綺麗な顔を手に入れたい(得たい欲求)一方で、失敗して崩れたくない(避けたい欲求)という両方の思いがあるのです。

そして私たちは例外なく、「避けたい欲求」つまり痛みから逃れたいという欲求のほうが常に上回っているのです。

じゃあなぜ、それでも整形に踏み出せる人がいるのかというと、「今の醜い顔から逃れたい」という避けたい欲求が強く出るからです。つまり、失敗のリスクより、今の顔から生まれ変わりたいという、逃げたい欲求に突き動かされているのです。

なので例えば、商品をセールスする際にも必ず、「相手が絶対に避けたいこと」を敢えて説明することで、相手のイェスを引き出しやすくなります。

「この商品(サービス)を使うとこんなメリットがありますよ」と得たい欲求の説明だけでなく、「この商品(サービス)を使わないとこんな痛み(デメリット)がありますよ」と避けたい欲求に対する説明も同時にすると効果的なのです。

. 「なぜ」という理由を明確にする

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TEDスピーチで話題になったサイモン・シネックが「WHYから始めよ」という著書でも説明していますが、私たちはこの「なぜ」という理由に突き動かされます。

例えば、これは私の好きなチャルディーニ博士の「影響力の武器」で紹介されています。

列の前に並んでいる人に、「コピー機(印刷機)を先に貸してもらえませんか?」とお願いするときに、どの頼み方が1番「イェス」の人数が多いのか調べました。

結果的に、ただ「先に貸してください」とお願いするよりも、「会議に遅れそうなので先に貸してください」とお願いするほうが、承諾率は高かったのです。

これは考えてみれば当然ですよね。

私たちは「なぜ」という理由を求めます。小さい子供の頃には、「なんでこうなってるんだろう?」となんでなんでと質問を繰り返し、親を困らせるものです。

なので、何かをお願いするときには、「こういう理由だからです」と説明すると、イェスを引き出しやすくなります。

これは当たり前のように思えることですが、いざビジネスシーンになると難しくなります。

よく、「セールです!」と言って割引きするお店などがありますが、ここで「なぜセールにするのか?」という理由を話さないと、胡散臭く感じてしまいます。

むしろブランド品がヤフオクで売っているかのように、価値を低く感じてしまうのです。

なので、「実は、私が発注ミスをしてしまい、在庫をたくさん抱えてしまいました。これを処分するのは勿体ないので、たとえ赤字になったとしてもみなさんにお安くして提供したほうがいいと思いました」というような理由があるだけで、人はそのセールに引き込まれていきます。

ただ「手伝って」だけではなく、それと同時に「**だから、手伝って」と言ったほうが、イェスを引き出すことができます。

. 自分で答えを出してもらう

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私たちは、他人になにかを押し付けられると反発します。親があまりにも子供に色々と教育を押し付けて、反発する子供が最たる例です。

考えてみれば当たり前で、勉強を無理矢理やらされるより、自分から好んで勉強に取り組んだほうが、よっぽど長続きしますし、勉強が身になります。

そう、どうしても押し付けを嫌うのです。

なので、自分から考えて、その答えを出してもらうと、イェスを引き出せるようになります。

例えば、成功している整体や接骨院の施術者(治療する人)は、よく患者さんに質問をします。「*さん、こういう動作をよくしませんか?」「ここチョット痛いというか、違和感をありますよね?」など、とにかく質問をよくします。

そして、患者側が「よくあります」「ちょっと違和感があります」と自分で考えて答えを出すことで、今後も治療が必要なんだ、と認識してもらえるのです。つまり、リピートが多くなる、ということです。

ただ「次も来てください」というよりも、「心当たりありますよね、次も来てください」と伝えた方が、「イェス」を引き出しやすくなります。

. 自己重要感を満たす

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私たちには、承認欲求というのがあります。つまり「認めて欲しい」「理解して欲しい」という欲求です。なので、「あなたは正しいんだよ」「あなたは大切な人なんだよ」など、相手の自己重要感を満たしてあげることで、気分が良くなります。

これを例えば、「あなたは間違っている!」「あなたはクズだ!」と言えば、相手は「なんだこの野郎!」と怒りを露(あら)わにして、交渉どころではないでしょう。

なので、まずは相手のアイデンティティを認めることで、イェスを引き出しやすくなります。

簡単にできることと言えば、持っている物やファッションを褒めたり、相手の性格や人間性を褒めてあげたりと言ったことができます。

また、相手の話しを聞いているときには、目をジッと見て、心の中で「この人は本当のことを言っている」と100%思いながら真剣に聞くだけでも効果があります。人は自分の話しを真剣に聞いてもらうのが好きなので、より好意を持ってもらえ、イェスの可能性が上がるのです。

. 返報性を使う

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私たちは、社会性を持つことで発展してきた生物です。ですから、はるか何万年前から人間同士のコミュニケーション、助け合いをして生存してきました(同種の殺し合いはまた別の話しですが、同じコミュニティ同士では助け合ってきました)。

そんな中で、「何かをしてもらったらお返しをする」という文化が無意識的にも意識的にも発展し、そして人々の心の中で絶対的なものとして確立されました。これは世界共通です。

ですから、「貸し借り」と言うように、私たちは人に助けてもらうと、お返しするまでその人に対してチョットした後ろめたさすら感じてしまいます。お返ししないことが、ストレスになるのです。この暗黙のルールを『返報性』と言います。

なので、相手に何かを承諾して欲しいときには、最初はこちらから価値を提供し、それからお願いをするとイェスを引き出しやすくなります。

それがたとえ120円のジュース1本だったとしても、それ以上のお返しをもらうことも可能です。ですから、普段から相手に何かをしてあげたり、助けている人はおそらく、あなたの難しいお願いにも応えてくれることでしょう。

. 一度断らせる

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とても不思議なのですが、私たちは何かお願いをされたときに断ると、一種の罪悪感のようなものを感じます(サイコパスは別です)。これはあなたも心当たりありませんか?

例えば、「*日にご飯行こうよ!」とあなたが誘われた時に、予定が合わずに断ったとします。その場合、断ったままだと少し相手に罪悪感を感じるはずです。そして、「*日はどう?」と言われたら断りづらくなったり、むしろあなたから「*日なら大丈夫だけど…」と提案したりするでしょう。

もう1つ別の例で考えてみます。

例えば本当にお願いしたいことがあるとします。そのときに、最初はいきなり無理難題をお願いしてみることから始めます。相手に「それはちょっと難しいな…」とさせるのです。

そこで相手は一種の罪悪感のような物を感じます。そうしたらすかさず、「じゃあこれならどう?」と本命のお願いをすると、いきなりお願いしたときよりもよりイェスを引き出すことが可能になります。

10. 欠点を正直に語る

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人は正直に話す人のことを好意的に捉えます。例えば、「この商品は完璧で欠点なんてありません!」と言われるよりも、「実は、この商品に向いていない人もいますが、素晴らしい商品です!」と言われたほうが、信頼を置けますよね?

商品をセールスする際でも同じですが、完璧を歌うよりも「ただし、1点だけ欠点があります」と欠点を正直に語ることで、より相手の信頼を獲得し、イェスを引き出すことができます。

それが仮に、実際に欠点がない完璧な商品だったとしても、“敢えて”欠点を出したほうが購入率は上がります。

なので、プライベートの人間関係でも、見栄を張って完璧な人間を装っている人より、少し欠点があって人間臭いほうが、より異性からモテるのはそういう理由です。

11. コントラスト

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コントラストとは、何かと何かを比較することを言います。このコントラストの効果が分かる例えで言えば「価格」です。

例えば、いきなり「5万円になります」と言われるよりも、「19万8千円のところ、イベント価格で5万円になります」と言われたほうが、より安く感じますよね?

これは、最初の「19万8千円」をアンカー(基準)とし、比較をすることになるので安く感じるのです。

また、この記事の前に「メリットとデメリットを両方語る」という話しをしましたが、これもコントラスト効果です。

つまり、「これをしたらこんなメリットになるけど、やらなかったらこんなデメリットがあるよ」と敢えて対比(コントラスト)を明確にすることで、相手jはこちらの望む行動を起こしてくれやすくなります。

12. その他大勢ではなく「あなた」

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これは当たり前ではあるのですが、「あなたはその他大勢のお客様の一部ですよ」と扱ってしまったらどうなるでしょう。間違いなく、顧客側はいい気分をしません。が、「あなたは特別なお客様です」と扱うことで、よりこちらの話しを真剣に聞いてもらえます。

これは異性同士でも全く同じでしょう。「君は別にその辺の女と変わらないから」と言うより、「君は世界で1人だけの特別な存在だよ」と伝えほうが、より相手に気持ちが伝わります。

しかし、ビジネスシーンになるとどうしても、その他大勢へのメッセージとして発信している個人や企業が多いのです。

何かメールやブログを書く際にも、1人に向けていると意識して書くだけで、読み手に伝わる真剣さ、信頼、好意が変わってきます。しかし、その他大勢に向けて書く人が多いばかりに、そのメッセージが無視されているケースが非常に多いのです。

整体などの治療院であれば、患者さんに何か話し掛ける時には、必ず「**さん」と最初に名前を付けることで、本人は「自分に話しているんだ」と深く認識し、リピートに繋がりやすくなります。

13. 感謝の言葉を伝える

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おそらく、感謝されて気分を害する人はいないでしょう。私たちは「ありがとう」と言われると嬉しい気持ちになるものです。

なので、なにかお願いごとをしたいときには、最初に「いつも手伝ってくれて本当にありがとう」と感謝の言葉を伝えておくことで、相手のイェスを引き出しやすくなります。

普段から感謝の言葉を伝えてくれる人に、悪くしようと思う人はいません。むしろ、この人にはもっと良くしてあげたいと思うのが普通の人間です。

ですから、この魔法の言葉である「ありがとう」は、日頃から口癖に持っておくと、色んな良いことがあなたに引き寄せられてくることでしょう。

14. バンドワゴン効果

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バンドワゴンとは、大勢の流れに便乗することを言います。

バンドワゴン効果と言う場合は、「あなた以外にも多くの人が手に入れてますよ」とメッセージを伝えることで、「取り残されたくない」「多くの人が手にしているなら間違いない」と思い、その言葉に便乗してしまう効果のことを言います。

これは、実は私が小学生のときには口癖で、親に何かを買ってもらいたいときには「だって学校のみんなだって持ってるもん!」と言い放っていました。

それに対して母が「みんなって誰よ、1人ずつ名前を上げてみなさい」と言うのですが、結局は2〜3人だけだった、なんてことは何度となく繰り返したものです。

しかし、このバンドワゴン効果は、セールスや交渉の場面では非常に有効であることに違いはありません。だからこそ、お客様の声や実践者の声、買い物のときにはレビューや口コミが何よりも重要である理由です。

15. 共同作業

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これは商品を販売するときには特に重要になってくるのですが、販売者側がただ一方的に商品を作って販売するより、商品製作に顧客を巻き込んだほうが、より売上げが上がります。

なぜなら、人はただ売られるよりも、製作に自分も携わったほうが「欲しい」と思うからです。

なので、何かお願いをするときや交渉時には、相手も巻き込めるとイェスを引き出しやすくなります。

例えば、「これをお願い」と言うよりも、「これを一緒にお願いできないかな」と言ったほうが承諾してもらえます。つまり、一方的に押し付けるのではなく『協力してもらう』ということです。そのときに、相手と共通の理想を見つけると、より可能性が高くなります。

また、自社の媒体に広告を載せて欲しいときに、ただ載せて欲しいというのではなく、「一緒にこの媒体を育てていって、費用対効果を高めて欲しい」と伝えることで、イェスの確率が上がります。

人は、自分が携わったものは、断る理由がなく承諾してしまうのです。

16. 科学的データや証拠

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何かをお願いし、信じて欲しいときには、ただメリットやデメリットを伝えるだけでなく、その根拠となる科学的なデータや証拠を見せることで、よりあなたの主張を信じてもらいやすくなります。

ビジネスシーンであれば、成功事例やお客様の声、推薦、引用、数字的なデータなどを見せることで、売上げはさらに向上します。

また、プライベートなどでも、第三者があなたのことを「良い人だ」と言う人が増えれば増えるほど、相手のあなたに対する印象が良くなり、結果的にあなたの主張が通りやすくなります。

17. レア

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これは主にビジネスシーンで言えることですが、人は「手に入らない物ほど欲しくなる」という不思議な欲求を持っています。昔ながらの言い方で言えば「ないものねだり」ですね。

なので、私たちは「限定何個!」とか「これはとても希少価値が高いです」と言われると、無性に手に入れたくなってしまい、たとえそれが大金を叩いてでも手にしようとするのです(ダイヤモンドや高級車などが良い例です)。

ですから、希少価値が高いことを伝えることで、対面営業やセールスなどで顧客のイェスを引き出しやすくなります。

18. 新しさを演出する

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人はとにかく新しい物が大好きです。おそらく、新しく買った洋服をその日に着て帰る、という人も多いのではないでしょうか。

そう、とにかく私たち人間は新しい物が大好きで、トレンドやニュースに飛びつきます。むしろ、依存していると言っても過言ではありません。

なので逆に、見慣れたものや、今までと同じありきたりな物には見向きもしません。これは男女の恋愛が分かりやすいでしょう。長く付き合っていると大切な人より新しい人に目移りしてしまう現象です(結果的に、私たちは失ってから大切さに気付く悲しい生き物です。)。

ですから、なにかお願いするときに、メリットを伝えるのだとしても、新しい要素を組み込むことで相手が興味を持ち、イェスを引き出しやすくなります。

スタバの(砂糖の塊でしかない)新商品や期間限定商品に飛びつく女性も最たる例です。彼女たちは、もちろん定番の好きな物もありますが、それより新しい獲物に飛びついてしまうのです。

19. 唯一無二だと伝える

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これは先ほどの「レア」と似ている部分がありますが、ここでの唯一無二とは要するに“オリジナル性”です。ビジネスで言えば、その商品がいかにユニーク(独自性)か、ということです。

繰り返しますが、私たちは既存の物やありきたりな物には価値を感じません。なので、この世界でも特別な物であると伝えることで、人は価値をより高く認識するようになります。

営業や交渉時でも、たとえ自社の扱っている商品が他と代わり映えのない物だったとしても、切り口を変える、ベネフィットを変える、コンセプトを新しくするなど、どんな手段であれ独自性を出す、つまり差別化することが大切です。

私も、コピーライティングの講座を販売していますが、この世にコピーライティングの講座や学校なんてたくさんあります。ではどこで差別化を計っているのかというと、コンセプトをバチッと唯一無二の物にしています。

だから、お客さんは他ではなく私のコピー講座を買ってくれます(過去すでに他のコピー教材を購入して学んだことがある人ですら購入してくれるのです)。

つまり、私のコピーライティングの講座は、単なるコピーライティング講座“ではありません”、ということです。そう明言することで、他のコピー講座とは差別化されるのです。

20. ストーリー(コンテクスト)を語る

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1つ前で、ユニーク(独自性)が大事だとお話ししましたが、そのユニーク性を出すうえで最も効果的なのは「ストーリーを語る」ことです。

例えば、商品を開発するに至った背景(コンテクスト)を語ることで、すでにライバル商品がある物だったとしても、それが唯一無二の存在となります。

マーケティングを勉強している人ならご存知だと思いますが、1919年、シュリッツビールが倒産寸前のとき、1人の伝説的マーケッターでありコピーライターのクロード・ホプキンスをコンサルタントとして雇いました。

そしてホプキンスは、みずからビール酵造所に行き、ビールが完成するまでの過程を見学し、驚愕しました。ここまで手が掛かっていることを初めて目の当たりにしたからです。

ホプキンスはシュリッツ・ビールの担当者に「なぜこのことを語らないのですか?」と聞くと、担当者は「いや、これはどこのビール会社でも同じようにやっていることですよ」と答えました。そう、彼らにとっては当たり前のこと過ぎたのです。

しかし、その過程やストーリーを市場に語ったビール会社がないため、ホプキンスは初めて、そのビール作りでは当たり前の過程を紙面で語りました。

すると、倒産寸前だったシュリッツ・ビールは、数ヶ月後にはビールシェア第1位と肩を並べるまで躍進しました。

そう、この例から分かる通り、例え自分の商品が他のライバル商品と同じだったとしても、その商品の背景(コンテクスト)やストーリーを語るだけで、それが市場において唯一無二の存在となるのです。

また、私たちはその人物のことを深く知れば知るほど親近感や好意を抱きます。それはつまり、その人物のお願いにイェスと言ってしまいやすい、ということです。

21. 大事なことは3回繰り返す

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私たちは本当に集中力が散漫です。なので、1度言われたくらいでは記憶にとどめておくことは難しいのです。

なので、これはマーケティングで非常に重要なコンセプトですが、本当に自分が相手に伝えたい重要なことは「最低3回は繰り返しなさい」というものがあります。そう、人は2回、3回と繰り返されて初めて理解できるのです。

ですから、営業する際や交渉するとき、あるいはオンラインで商品をセールスするときにも、必ず大事なことは最低3回、繰り返すことがポイントです。

例えば、返金保障が付いているのであれば、1度だけでなく、2回3回と伝えるのです。あるいは、ベネフィット(メリット)も1度ではなく、2度3度と繰り返すことで、相手に対して「欲しい」という欲求を高ぶらせることができるのです。

これはなにも、ビジネスシーンだけでなくプライベートでも全く同じです。本当に相手に伝えたいことは、最低3回は繰り返し伝えましょう。そうして初めて、相手は重要だと認識することができるのです。

まとめ

さて、いかがだったでしょうか。

この記事では相手のイェスを引き出すための21個のテクニックを厳選してお伝えしました。が、この他にも、相手を説得したり商品を購入してもらうための技術はまだまだたくさん存在します。ここで紹介したのはコピーライティングの技術の中でもごく一部です。

しかし、今すぐにでも使えるテクニックばかりですので、早速この後から誰かに実践してみてください。その効果に驚きますよ。

「おれ、これ無意識にできてたし!」という人も中にはいますが、まぐれで出来ているのと、意識的に使えるのでは大違いです。意識的に狙った結果を得るのがプロです。

ですので、これらテクニックを狙って確実に使えるよう、なんども繰り返し読んでみてもらえればと思います。

また、もしあなたがもっと相手を説得する技術を習得したいのであれば、この記事の下で紹介している特別レポートを無料ダウンロードしてみてください。

人間がなぜ洗脳されるのか、どうして「イェス」と言ってしまうのか、どうやったら思い通りに人を行動させることが可能になるのか、などその深い人間心理の部分まで解説しています。

この記事とレポートを合わせて勉強すると、さらに簡単に人を説得することが可能になりますので、ぜひチェックしてみてください。

それでは今回はこの辺で。

西野之啓