Amazonが先日、倉庫ロボットを導入すると発表しました。なんでも、日本国内の川崎に、倉庫ロボット「Amazon Robotics(アマゾン・ロボティクス)という名前のロボットを導入するのだそう。
なんか、近未来的な名前ですね。
このロボットは、商品棚を動かすらしく、イメージとしては、菓子パンとかカロリーメイトとかを売っている自動販売機みたいな感じでしょうか。あるいは、高速道路のサービスエリアで必ず買ってしまう、カップコーヒーの自販でしょうか。
↑自動で商品棚を整理・移動させるロボットが導入:Amazon倉庫、川崎
まあイメージはともかくとして、「より早く安全にお客様へ」をモットーに、ロボットが導入されました。
最近、ネット上でも、GoogleのAI(人工知能)が韓国のプロの棋士(囲碁)に5戦中4勝1敗で圧勝したと騒がれていました。
このGoogleの囲碁AIは、戦うごとに学習をさせていったという「自ら覚え成長させていく」というスペックを持っています。
驚異的ですよね。
Amazonの倉庫ロボットといい、このGoogleのAIといい、ちょっと前のIBMのロボットといい、、どんどんと、私たちの知らない世界がすぐそこまで迫ってきていますね。
果たして、本当にロボットが私たち人間の仕事をほぼ全て“楽に”してくれる時代が来るのでしょうか・・・?
それは誰にも分かりません(個人的には、すぐそこだと思っています)。ですが確かに言えることは、「看板のない自分の価値」を今のうちに上げておかないといよいよ危ないということです。
“看板のない”とは、今の働いている組織(会社)と無関係になったときの自分です。
これは私も経験したことですが、「会社の看板がない自分」になったとき、どれだけ無力だったかを思い知らされました。
ちょっと前までは、(グレー)お遊びのお店関係で「どこどこ店の西野さん」と周りに認識されていたので、その業界から一歩外に踏み出すと全くの無名の能無し(特技なし)でした。
なので、そこから「自分でビジネスをやってく」と決めてからというのは、本当に本当に辛いイバラ道でした。
もちろん、それはこれからも同じでしょうが、やはりいよいよ、今まで以上に『個としての価値』を磨いておかなければ手遅れになると強く感じます。
もちろん、まだ考えられませんが、もしタクシーが自動運転になったとしたらどれだけの人たちが職を失うのか・・・その影響力は計り知れません(そうならないことを祈りたいです)。
しかし、GoogleのCEOラリー・ペイジはこう述べています。人工知能の急激な発達によって、現在、日常的に行われている仕事のほとんどをロボットが行い、近い将来、10人中9人は今とは違う仕事をしているだろうと、と。
また、この意見に同調するような発言を、この大御所も言及しています。そう、大富豪のビル・ゲイツです。「ソフトウェアが運転手やウエイター、そして看護師などの代行をするため、仕事の需要がどんどん減っていくだろう。特別大したスキルを必要としない仕事は次の20年でどんどん減少する。しかし、まだ誰も心の準備ができていないように感じる。」
↑ビル・ゲイツ「創造性のない仕事は無くなっていく」( OnInnovation)
つまり、自分がいなくても回ってしまう、もしくは自分以外の誰かでも代われる仕事は、この先10年、20年で急速にハードウェアやテクノロジーに取って代わられる、ということを言及しています。
ここであなたに質問をさせてください。
あなたは、もし突然、明日今の仕事を失ったらどうしますか?いきなり会社がなくなり、自分の手でお金を稼いでいかなければならないとしたら、、あなたはどうやって生計を立てますか?
いや、あなたはもしかしたら、堅実で真面目でお酒や女遊びなんてしない人だから、貯金がた〜っぷりあるかもしれません。
ですが、日本人の貯蓄率はフランスの7分の1という内閣府のデータもあるくらいなので、おそらくこれを読む多くの人は「貯金」とは呼べない貯蓄額かもしれません。
↑日本人30代の約半数近くが「貯蓄ゼロ」の日本
なのでもしあなたが現在、貯蓄も「個としての価値」もなかったとしたら、今が何かに気づくタイミングかもしれません。このコンテンツに出会ったのも。
これから益々、ロボットや人工知能が市場に発達してくるので、せめて自分で稼ぐ術は最低限でも持っておかないとメシが食えなくなります。
最近、私と同名のキンコン西野さんがクリエイターの人たちと一悶着ありましたが(そういうところも上手いなぁと思いますね)、「クリエイターが食えなくなる!」とか、「市場破壊だ!」とか、ここぞとばかりに色んな人が売名行為ばりにキャンキャン騒ぎ立てていました。
そのチャンスを見逃さない視点は素晴らしいと思います。ですが、言っていることは少しズレているかもしれません。
というのも、どんなに歌が上手くても食っていけない人は食っていけません。どんなにラップが上手くても、食っていけない人は食っていけません。それと同じように、クリエイターとしても食っていけない人は、そもそもが食っていけないということです。
なので、食っていけないクリエイターにならないために何ができるだろう。
それは、キンコン西野さんが上手な「自分を売る力」「マーケティング力」を少しずつ磨いていくことなんだと思います。
↑芸人としてだけでなくビジネスマンとして優れた能力(BEST TIME)
私たちがやっているコンテンツビジネスも、ストーリーを語れる人は稼げます。しかし、自分や自分の商品のストーリーを語れない人は食っていけません。共感も呼べないし、相手にもしてくれません。
なぜなら、ストーリーを語れないということは、漫画の中で一瞬出てきてすぐ死ぬ敵役と同じくらい感情移入ができないからです。
あなたも、次のような経験はあると思います。それは、初めて見る敵役がすぐ死んだときよりも、最初から出てた主人公の仲間が死んだときのほうが悲しくなる経験です。
なぜそうなるかというと、それこそがストーリー、つまり共感です。そして、その共感の数こそがその人の「価値」になるのだと思います。
ですから結局のところ、どんな職業やビジネスであれ、食っていけるようになるためにはストーリーを語れなければ無理です。なぜならストーリーを語る力こそ「個の価値」だからです。
キンコン西野さんは、「奴隷解放宣言っ!!」のようなことを言って、ウェブ上で無料公開しました。それを猛烈批判する人は、まずは西野さんはストーリーを語っているってことを理解しましょうよ。
小学生?かなんかの話、めっちゃ感動するじゃないですか。心動かされるじゃないですか。だから、その話(ストーリー)に共感してみんなでシェアして駆け足で本屋さんに走ってしまったんじゃないですか。
本当に、影響力がある人がストーリーを語る力を持っていたら凄まじいパワーだと驚愕しました。畏敬の念を感じます。
そしてこの「無料」というのはビジネスでは遥か昔から、「商売」が生まれたときから使われてきたものです。
↑商売では昔から「無料お試し」の概念は存在していた
そもそも、エステとかなんて「無料体験」は当たり前ですからね。いまさら「エステティシャンが食えなくなる!」なんて過剰に反応する人はいません。
エステティシャンでさえ、食っていけない人もいれば、高額にして儲かっている人もいます。その違いこそ「個の力」です。
高額にしても儲かる人というのは、その高額な「理由」つまりストーリーを持っているのです。しかし、食っていけない人にはなんにも共感することがないから高額を払う理由がありません。
そういうことなんです。
なので、冒頭のほうにお話したAIとかロボットとか、今回の西野さんの「クリエイター奴隷問題!」とか、そういう諸々も含めて、改めて「個の価値を高めておく」ことの重要性を認識させられた今日この頃です。
それをちょっとシェアしたかったので、今回は記事を書きました。
私も、自分で商品を販売して食っている起業家として、より「個の価値」を磨いていこうと思います。ではまた。
西野之啓