今回は『ダブルバインドの意味とその応用』について。
このダブルバインドを正しく理解することで、あなたは「言語以上の情報」を相手の『無意識に』伝えることができます。
これは催眠療法でもよく使われる手法で、相手の顕在意識に気付かれることなく、無意識に暗示を与える効果的なテクニックです。
ですから、あなたが普通に相手と話しているだけで、相手が気付かぬうちにあなたの暗示やメッセージを受け入れてしまうということです。
これは、人を説得するのが上手な人、人を動かすのが上手な人、セールスが上手な人ほどダブルバインドを活用しています。
あなたもダブルバインドを正しく理解して応用できれば、家庭、恋愛、ビジネスシーンで、会話を優位に進めることができます。
それはつまり「人生を思い通りにしていく」ための大きな力となるでしょう。
1. バインドとは?
ダブルバインドを理解する前に、まずは「バインド」という言葉を理解する必要があります。
バインド(bind)とは、
・縛る
・結びつける
・(衣服が)きつい
・(法的に)強制する
などの意味があります。
そして、ここから転じて心理療法や精神医学では、
「バインドとは、2つ以上の比較可能な選択肢からの自由な選択」
を意味しています。
つまり、「どれを選択しても、望みの方向に行動が導かれること」という意味で使われます。
人がバインドを受けると、自由に、自発的に選択ができます。しかし、実は一つの選択肢を受け入れるよう拘束されていると感じます。
バインドの例としては、
「Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ、どれにしますか?」
という質問。
これはファーストフードで店員さんから質問されることですが、これには「この3つのサイズのどれかで選んでください」というメタメッセージが隠れています。
2. ダブルバインドとは?
そのバインドの意味から、
「ダブルバインドとは、表面的なメッセージと相反する矛盾したメタメッセージで拘束する」
という意味がつけられました。
※メタメッセージとは、本来のメッセージを超えた、別の意味を含むメッセージのこと。
例:「検討させてください」は「お断りします」の意味だった、など。
このダブルバインドという言葉は、アメリカの文化人類学/精神医学の研究者だったグレゴリー・ベイトソンによって定義された造語です。
ベイトソンが統合失調症の研究をしている際に、
「統合失調症とそれに似た症状を持つ子供の家庭では、ダブルバインド形式のコミュニケーションになっている」
ということに気付き(指摘)しました。
3. 否定的ダブルバインド
分かりやすい例を上げると、「ご飯はゆっくり食べなさい」と言っておきながら、ゆっくり食べていると「あんたはノロマ」とか、「ちんたらし過ぎなんだよ」などと言ってしまうなど。
あるいは、「宿題が終わったらゲームしてもいいわよ」と言っておきながら、宿題を終わらせてゲームをやっていると「ゲームやる時間があるなら勉強しなさい!それか家事を手伝いなさい!」などと言うなど。
これらは完全に矛盾しているコミュニケーションですよね。
こういったシーンは、どこの家庭でも“あるある”だと思います。
ですが、このような否定的ダブルバインド形式のコミュニケーションを続けると、相手に大きなストレスとなります。
「どっちを信じていいのか分からない」という精神状態になるわけですね。
4. 肯定的ダブルバインド
そして逆に、ダブルバインドで「禁止」するのではなく、「肯定」することもできます。
これは、もともと定義されたダブルバインドを、心理療法家や催眠療法家が治療に適した形で活用したことによって生まれました。
先ほどの例で言うと、
「ゲームをやってもいいけど、後で必ず宿題を終わらせるか、それとも先に宿題を終わらてからゲームするか、どっちがいい?」
というようなものですね。
これは、相手を否定することなくダブルバインドしている例です。
でも例えば、先に宿題を終わらせてゲームをしているのに、また後から「あんた!そんな時間があるなら…!」というと否定になってしまいますけどね。
あるいは、
「ご飯はゆっくり食べるか、ちゃんと味わって食べなさい」
というのも、相手を否定することなくダブルバインドしています(これも、後から否定してはいけません)。
ダブルバインドは、使い方によって、相手に与える影響が大きく変わってくるわけですね。
5. ダブルバインドをビジネスに応用
このダブルバインドは、ビジネスシーンでも効果的に活用することができます。
例えばインターネットを活用したビジネスでは、メルマガを利用することがあります。
そのメルマガ内でセールスやキャンペーンをするときに、
「このプレゼントを無料でプレゼントします。が、こちらのアンケートに答えて頂けませんか?」
というメッセージも、一種のダブルバインドと言えます。
この場合、表面上は「アンケートに答えてほしい」というメッセージに見えます。
しかし、その裏では「プレゼントを受け取るにはアンケートに答えるしかありません」という拘束的なメタメッセージが含まれています。
または、
「この商品は、間もなく販売終了となります。今すぐ購入して現状を打破するか、それとも、決断を先延ばしにして、これまでと変わらない日常を過ごすか。あなたはどちらを選択しますか?」
というセールスメッセージ。
これも、表面上では自由に選択の余地を与えているかに見えます。
ですが、その裏では「今すぐに購入してください」というメタメッセージが含まれていることが分かりますよね。
このように、「アンケートに答えてください」と直接的に言う代わりに、ダブルバインドの形式で「アンケートに答えて頂けませんか?」と質問することもできるわけですね。
ダブルバインドを詳しく知りたいあなたへ
現代催眠の巨匠である故ミルトン・エリクソンは、ダブルバインドのような「間接的な暗示」を使うプロフェッショナルでした。
この『間接暗示』は、ダブルバインド以外にもたくさんの手法やテクニックがあります。
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5,400円と書籍にしては高い部類ですが、非常に多くの間接暗示法が具体的事例を交えて解説されています。
難しい内容ですが、読み応えは十分ありますので、ぜひ学んでみてください。
西野ゆきひろ
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西野ゆきひろ
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